
横浜市が中心となって主催した「よこはま国際性豊かなまちづくり市民フォーラム」が去る12月10日、横浜みなとみらいにあるパシフィコ横浜の小ホールにて開催された。当日は山形弁の特異なタレントして有名なダニエル・カール氏を招き、本年度の検討課題でもある「外国人にも魅力あるまちづくり」と題した基調講演があった。
講演のなかで講師のカール氏は、緊急時の避難場所や毎日のゴミの出し方などの生活全般に関する情報は既に英語のみならずスペイン語、韓国語、中国語などの多言語で紹介されており、ハード面については、他の自治体と比較しても横浜は大きくリードしていると言及。そのうえで氏は、20数年にわたる自らの日本生活を面白おかしく振り返りjながら、「外国人にも魅力あるまちづくり」を目指すには、こうしたハード面のみならず、むしろ日本人の市民とのコミュニケーションの促進といったソフト面も重要視されるべきであると強調した。なお、氏が提案する日本人と外国人とのコミュニケーションをスムーズに図るポイントやキーワードは次の通り。
■主語 主語が表面上現れない日本語の理解に、多くの外国人が苦しんでいる。日本人同士であれば全く問題ない会話でも、外国人にとってみれば、まったく不可解な会話に聞こえてしまう。
例えば、日常でよく使う「行ってきます」。これには動詞の「go」(行って)と「come」(来ます)しか含まれておらず、「誰が」という主語が欠落しており、理解に苦しむという。問題は主語の欠落だけでは終わらない。「何処へ」行ってくるのか、「何時」行ってくるのか、「何の目的で」行ってくるのか、といった詳細なことが抜けている。
学生服を着た少年少女がいうのであれば、今から学校に行くために家を出る際の挨拶ということで理解が生まれるが、こと外国人にとっては、特に在日で日が浅い外国人にとっては不可解極まりない表現であるという。
■謙遜 日本と海外とでは「謙遜」の意味合いが異なる。海外での謙遜は、自分自身のみならず、配偶者や子供、親戚などを含めた身内までをも「下げる」ことが美学とされているが、海外では家族といえども別個人であるため、謙遜は自分自身のみを下げることに用いられている。
愚妻やバカ息子など、初対面の相手に紹介するときにこのような語を使うと、それを聞いた外国人は驚いてしまうそうだ。なぜ、自分の身内をけなすのだろうかと。
カール氏はその他にもいろいろと具体的な例を取り上げて、楽しく講演を続けてくださった。参加した市民にとって、有意義なフォーラムであったといえよう。
なお、カール氏の基調講演に引き続き、パネリストとして招いた4名の横浜の著名人を中心にパネルディスカッションを展開。市民も自由に意見や質疑を述べることができるという市民参加型のフォーラムは、成功裡に閉会した。